「記者クラブ」考

 (最新見直し2005.12.28日)

 国会TVホームページ(http://kokkai.jctv.ne.jp/は次のように記している。
 1890(明治23).11.25日、東京・日比谷の仮議事堂で初の帝国議会が開かれ、日本に議会制民主主義が始まった時、時事新報記者らが組織した「議会出入記者団」が当局に対して議会の取材を要求した。これが我が国の記者クラブの始まりとされる。弱い立場にある新聞が団結して秘密主義の政府に取材を要求し、情報を得るために出来たのが記者クラブであった。

 「国会TVマガジン号外2/15 、メディアの裏側(第九回)第二章、記者クラブというギルド社会、警視庁記者クラブ(1)」を参照する。

 三つのクラブ

 警視庁記者クラブと書いたが、実は警視庁には記者クラブが三つ もある。朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、東京新聞、日本経済新聞 と共同通信がメンバーの「七社会」、産経新聞、時事通信、NHK などが所属する「警視庁記者クラブ」、そして民放各社の「警視庁 ニュース記者会」である。最初に出来た「七社会」が、その名前の 故に八社目の加盟を認めなかったことから、クラブが一つにならな かった。戦後、民間放送がスタートした時、どちらのクラブにも加 入を認められず、三つ目のクラブが出来た。従って私が所属したの は正確には「警視庁ニュース記者会」である。  

 ちなみに我が国で記者クラブに入会する資格を得るためには、新聞百十社、通信四社、放送局三十三社が加盟する日本新聞協会のメンバーにならなければならない。雑誌や外国人の記者が記者クラブに加盟できないのは日本新聞協会のメンバーになれないからである。

 そして日本新聞協会のメンバーであっても、その中には差別的な扱いがあるのである。記者クラブが三つに分かれているため、広報の係官は同じ発表を 三カ所で別々にやらなければならなかった。警視総監は月に一度記者クラブと懇談をする事になっていたが、これも時間をズラして一 日に三度行われた。懇談にはお茶とお菓子が出されたが、最後となる我々民放各社との懇談では、「もうお茶もお菓子も私はいらない。 皆さんだけで召し上がれ」と警視総監は言うのであった。クブが分かれているため、実に無駄で馬鹿馬鹿しいことが行われていても、誰も馬鹿馬鹿しいとは言えない。それが記者クラブなのである。





(私論.私見)


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2005.07.12

警察庁内記者会見への出席妨害禁止を求め、フリーライター仲間の寺澤有氏等、仮処分申請

●疑惑が出ているにも拘わらず、宮城県知事を批判する警察庁長官

  9 フリーライター仲間の寺澤有氏(38歳)、それに講談社『週刊現代』副編集長の舩川輝樹氏(39歳)が、7月11日までに、警察庁の記者会見に出席させないのは報道の自由の侵害だとして、国と警察庁記者クラブ、さらに朝日新聞社等警察庁記者クラブ加盟15社に対し、記者会見への参加を妨害しないように求める仮処分を東京地裁に申請した。
 最近、全国の自治体警察において、犯罪捜査報償費が不正流用されている疑惑が次々と起きている。宮城県警でも同様の疑惑が起き、寺澤氏は『週刊現代』で記事にすべく、今年7月4日、宮城県の浅野史郎知事をインタビュー取材している。浅野知事は6月24日、不正流用の疑惑があるとして、7月からの配当分の報償費予算につき執行停止するという、過去例のない強い態度で臨んでいるからだ。
 ところが、これに対し、6月30日、警察庁の漆間巌長官は「警察活動への介入そのもの」、「何も問題ないのに、執行を止めるのは権限の乱用だ」等、批判的見解を述べたため、寺澤氏は漆間長官に取材申し込みをした。
 しかし、警察庁広報室は「個別案件についての長官へのインタビューは応じていない」として取材拒否した。そのため、寺澤氏等は警察庁内で記者クラブ加盟社相手に行われている記者会見の場で質問するしか方法はないと考え、警察庁広報室、記者クラブ、記者クラブ各加盟社に出席を認め、かつ、質問させるように申し入れを行ったが、広報室は「定期的な会見は行ってない」旨、的はずれな回答を寄こしただけだった。

●報道する寺澤氏を無視し、結果的に警察庁側につく記者クラブ加盟各社

 7  しかも、漆間長官自身、愛知県警本部長時代(96年3月)、「本部長激励慰労」として、15万円分の報償費を使っていたとする警察内部資料を、寺澤氏は情報公開法により入手している。その点については、捜査費用で自らの宴会を催すのもとんでもないが、15万円というその切りのいい額からしてカラ宴会を開いて裏ガネを作った可能性もあるとして、なおさら寺澤氏は漆間長官に取材したかったという。
 ところが、記者クラブと加盟各社の対応はどうだったか。
 寺澤氏の警察庁記者クラブでの会見での取材申し込みに対し、クラブも、そしてどの社も無視したのだった。
 そこで取材する術を失った寺澤氏等は、本件仮処分申立を行ったという。
 上掲記事は漆間長官の前述したような発言、対応を報じた『週刊現代』(7月23日号)の寺澤氏署名記事(4頁)。そこには、15万円の宴会費の証拠資料も掲載されている。
 それにしても、警察庁広報室はともかく、本来、報道仲間であるはずの記者クラブ加盟社15社すべてが、寺澤氏等の申し入れに対し無視、拒絶したというのは情けない。
 捜査報償費は我々国民の税金で賄われている。だから、疑惑が生じたら、知事が配分の執行停止をするのは当然のこと。それを批判することに対し、浅野知事が寺澤氏等のインタビューに「そういう前に、漆間長官は宮城県警本部長に対し、早く疑惑を晴らせと指示するのが本来の立場でしょう」と答えたというが、この方が筋が通っている。
 ならば、漆間長官の見解を質すのが報道機関のあり方ではないのか。それをせず、そうしようとする寺澤氏等の取材申し入れを無視する報道機関とはいったい何なのか?
 まさに記者クラブの存在が問われている申し立てで、地裁がどう判断するか注目される。

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